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【秋田県】 高齢者・障害者の再犯防ぎ10年 福祉と連携し、出所者支援

罪を犯した高齢者や障害者を福祉につなぐ「秋田県地域生活定着支援センター」(秋田市)が設置され10年がたった。刑務所出所後の住まい確保や福祉サービスの利用を支援し、再犯防止を目指している。これまでに約260件の支援を行ってきたが、周囲の理解が進まず受け入れ先の確保が難しいなど課題も残る。

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 福祉の網から漏れた高齢者や障害者が犯罪を繰り返す悪循環をなくそうと、国は2009年に司法と福祉が連携する制度を創設した。これを受け、各都道府県が地域生活定着支援センターを設置し、本県でも10年から社会福祉法人晃和会(同市)が、県の委託を受けてセンターを運営している。

 センターは、保護観察所や自治体の福祉担当者と連携。出所後に行き場のない人に、福祉施設への入所など必要な支援を受けられるよう手配する。その後のフォローアップや相談も担う。

 開設から今年9月末までの支援件数は延べ259件。対象の多くが高齢者で、認知症や精神疾患がある人もいる。支援を受けている途中や支援後に再び罪を犯した人は、年1~2件程度にとどまるという。

 これまでは出所後の「出口支援」を中心にしてきたが、本年度からは起訴前の早い段階から、どのような支援が必要か調整を始める「入り口支援」にも取り組んでいる。

 支援はいずれも本人の希望が前提のため、豊澤公栄センター長は「公的制度につながりたがらない人などへの対応が難しい」と話す。福祉施設を含めた関係機関とのネットワーク構築が不十分な点や、受け入れ先が十分に確保できていない点も大きな課題という。

 豊澤センター長は「罪を犯した高齢者らへの福祉支援の必要性はまだまだ知られていない。協力してくれる施設や企業が少しでも増えてほしい。理解が広がることで、誰にとっても住みやすい地域になると考えている」と訴える。

 先月20日には福祉、司法、自治体関係者などによる県再犯防止推進協議会が秋田市で開かれた。出席者からは「高齢で障害のある人は刑務所ではなく福祉につなげるべきだが、放火など重要犯罪の場合は民間施設での受け入れが難しい」との実情が説明された。

 受け入れ先が県内で見つからなかったケースも示され、協議会会長の北島正人・秋田大教授(臨床心理学)は「関係機関が連携し、どうコーディネートして安定した生活に結び付けるかが重要だ」と指摘した。

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