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【静岡県】 視覚障害者の彫刻鑑賞 音声でサポート 長泉・ヴァンジ美術館 アプリ導入へ

長泉町のヴァンジ彫刻庭園美術館が、視覚障害者への情報提供と移動支援を目的としたシステム「ナビレンズ」の導入に向けた準備を進めている。日本の美術館で初という。関係者は「目の見えない人も安心して芸術を楽しめるユニバーサルミュージアムの実現を目指す」と意気込む。

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 「直接触れて味わえる彫刻を視覚障害者にも快適に楽しんでもらいたい」。飯野隆常務が導入への思いを明かす。同美術館は屋外の展示品に触れられ、「触る」作品鑑賞を通して誰もが楽しめる環境整備に取り組んでいる。2021年秋には触察の展覧会も開催予定。ただ、美術館の景観を損なうために点字ブロックの設置が難しく、目の見えない人が安全に館内を巡る誘導方法に課題があった。
 ナビレンズは、印刷したタグをスマートフォンで読み込むと登録した情報が音声で再生される仕組み。読み取り角度は160度と広角で、20センチ四方のタグならば15メートル程度離れた場所から認識できる。館内の順路や作品付近にタグを貼っておけば、視覚障害者でもスマートフォンをかざしながら歩くだけで、進行方向や壁までの距離、展示品の概要などの情報が得られる。すべての来館者に展示品の説明を聞くツールとしても活用してもらう。
 沼津市内の視覚障害者12人を招いた実証実験を実施。スマートフォンを片手に散策した大胡田裕さん(39)は「情報を提供してくれるだけで楽しさが増す。商店街など公共施設にこのシステムがあればうれしい」と期待する。一方で「一度順路をそれると戻れない」と改善点も指摘した。アプリに慣れる必要がある▽タグの間隔が遠いと不安になる―など実用化に向けた課題が挙がった。
 ナビレンズは文字での情報伝達も可能で、世界33カ国語に対応。聴覚障害者や外国人観光客などの支援ツールとしても活用できる。担当者は「さまざまな来館者が一人で訪れても楽しめるよう、根気強く改良を続けていく」と話す。

 <メモ>ナビレンズ スペイン発祥のナビゲーションシステム。QRコードのような正方形のタグをスマートフォンのアプリで読み込み、現在位置や周辺情報などを音声で伝える。一つのタグで、読み取る方向によって4種類の情報を伝達できる。適切な間隔で配置することで視覚障害者を音声で目的の場所に誘導できると期待される。スペインでは地下鉄やバス停、博物館など公共施設で導入。

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